マスクには「捕集率」という性能値があります。詳しくは後半に
記載しますが、花粉用マスクとウイルス用マスクとでは性能に
違いがありますので正しい知識に基づいて選択して頂きたいと
思います。
新型コロナウイルスの影響でマスクが品薄になる中、ネット上
ではびっくりするような価格で販売されているケースがあり、
不安を煽られます。そんな中、1月29日の中日新聞に、SARS
流行時に対応に当たった専門家が当時の人々の心理を五段階に
分け、解説されていましたので紹介したいと思います。
第一段階 不安や恐怖が拡大
第二段階 パニック状態
第三段階 デマが独り歩き
第四段階 調査研究が進む
第五段階 パニックが収束
今(1/29現在)は第三段階に入ってきている、新しい事実を小ま
めに伝え、曖昧さを排除することでデマを減らせると指摘。
闇雲に不安にならず、致死率はSARSより低いという可能性も
あり、落ち着いて考えることが大切ということですね。
以下、マスクの捕集率についてです。
花粉やウイルスの粒子の大きさはどれくらいで、それをどれく
らいの率で捕集するマスクか、という話です。数値については
資料によってばらつきがありましたので参考値としてください。
《粒子の大きさ》 1㎛=0.001㎜
花粉 20~50㎛
黄砂 0.1~10㎛
PM2.5 ~2.5㎛
細菌 0.5~10㎛
ウイルス 0.02~0.25㎛
《マスク捕集率》
マスクの捕集率の性能は3つの規格に分類され、捕集の目の荒
い方から BFE、VFE,PFE の名称で表されています。
BFE:3㎛の試験用粒子を95%捕集 (花粉に対応)
VFE:0.1~5㎛の試験用粒子を95%捕集(黄砂、PM2.5、細菌)
PFE:0.1㎛の試験用粒子を95%捕集 (ウイルスにも対応※)
つまり粒子の大きさを基に考えますと、花粉対策であればBFE
の規格で大丈夫ですが、ウイルス対策となるとPFEの規格を選
ぶことが懸命です。ドラックストアなどで販売されているマスク
はPFE規格が多いですが、BFE規格やVFE規格のマスクも
ありますし、規格外で無表記のマスクもありますので用途に応じ
て確認されることをおすすめします。
しかし厳密に言いますと、ウイルスの大きさは0.02㎛~ですの
でPFE規格であっても完璧ではないということになります。
そして、性能のほかに注意しなきゃいけないことはマスクの漏
れです。鼻やほおの隙間から外気が侵入してきますので、鼻の
形に合わせてワイヤーを折り曲げ、隙間を出来るだけ作らない
ように装着することが大切です。国民生活センターの調べでは
漏れ率が40%という報告もありました。
たとえば、捕集率100%のマスクがあったとしても呼吸がかなり
息苦しく、日常生活では使いづらいものになります。またどんな
に捕集率の高いマスクを選んだとしても正しく装着しないことに
はマスク装着の効果が損なわれ、捕集率の高さも意味のないもの
になってしまいます。