ウェアラブルEXPO 2019 の基調講演に行って来ました。500人くらい収容の会場が満員の盛況ぶりでした。
熱中症対策で電動ファン付き作業服の人気が高まるなど、安全衛生管理が今まで以上に重要視される中、その安全管理の手段としてウェアラブル(身に付ける)商品が開発が進んでいます。
これからの作業服はどうなるの?
作業服の役割と言えば、
・ユニフォームでチームワーク作り
・意識、責任感の向上
・見た目の信頼感
・作業性、機能性の向上
・汚れや危険から身を守る
などがあげられますが、そこにこれからは生体情報の収集が加わるそうです。生体電流、心拍、呼吸、加速度・ジャイロ、地磁気、温度・湿度、などがデータとして収集され、その情報を通信機器を通して、PCやスマホで管理され、作業者一人ひとりの健康管理、安全管理、ストレス解消に役立てていくそうです。健康状態、居場所、転倒 などが分かり、設現場や医療現場での活用が見込まれます。
ウェアラブル ウエアの素材
展示品を見ていますと、導電性の高い銀メッキを施した糸が使われ、生体電流を感知する端末や電極の配線は柔らかいふにゃふにゃの素材で出来ているものがあります。繊維の生地でなく、フィルムを服地にしているものもあり、着用の違和感が今まで以上に緩和されている印象でした。
唯一、生体情報を送る通信機器だけが消しゴムくらいの大きさで、胸辺りで出っ張っていましたが、それも薄型で使い捨てタイプが開発されたそうでいよいよ着用に違和感が無くなっていくそうです。
ウェアラブル ウェアの実用性
作業者にとってはある意味、見張られてしまうので着用に抵抗があるだろうなと思いましたが、アンケートでは60%以上の方が自分の健康、安全に気遣ってもらえて、快く受け止めているという結果があるそうです。
装置は上着でなく、生体情報を収集するために肌着に付くので、洗い替えを考えますと、コストも関心事になってきそうで、このあたりも普及に影響してくると思います。もちろん一人ひとりの健康、安全が一番大事なことですが、普及する業界はまだまだ限られる気がしました。ウェアラブル ウェアは情報産業であるので、IBMがブラジャーを売るようなことになると言われたことが印象的で、業界の垣根はすでに無くなっているのだと思いました。